⑨ 年金は何がどう変わったのでしょうか?(詳細その1)

所長つれづれ

前回は今回の改正全体の概要を記載しました。今回からその内容を少し詳しくご説明します。

1. 支給開始年齢引き上げについて

繰下げ受給制度の上限が70歳から75歳に引き上げられます。しかしながら以下の通りに対象者が限定されます。

対象者

・ 令和4年度の前日、すなわち令和4年3月31日において70歳に達していないもの

⇒生年月日が昭和27年4月2日以降の者


・令和4年度の前日、すなわち令和4年3月31日において、受給権を取得した日から
起算して5年を経過していない者

⇒受給権発生が平成27年4月1日以降の者(受給権発生とは年金をもらうことが出来るようになった日です)

この結果、75歳まで繰り下げると84%年金額が増えることになります。ただし、繰下げは給与、賞与、年金額により支給停止となった部分は繰下げても支給停止された部分の増額はないことに注意が必要です。さらに厚生年金を繰り下げるとその間、加給年金ももらえないことになります。そして繰り下げて年金額が増加すると税金や健康保険料、介護保険料に影響することにもなり慎重に検討する必要があります。年金に関しては年金事務所、税金については税務署,住民税については市役所など、健康保険についてはそれぞれの該当の窓口で相談して慎重にきめることが肝要です。
一方でそこまで繰り下げると払った年金保険料を回収できないではないかとの考えも当然出てくると思います。どのように考えるかは簡単ではないですが高齢期はどうして
もお金が必要になることが多いと思います。さらに子に経済的負担をかけたくないと思う方もいらっしゃると思います。そのような考え方からすると75歳繰下げは払った保
険料回収できないかもしれませんが一方で得ることが出来るメリットもあると考えられます。ファイルプランナーの考え方では老齢という一つのリスクと考えます。そのリ
スクをマネジメントするのには繰下げをしてキャッシュフローを良くすることは重要なポイントであると考えられます。このことも踏まえて繰下げを検討されると良いと思
います。

2. 年金繰上げ増減率が1月当たり0.5%から0.4%に引き下げについて

 令和4年4月1日の前日時点で60歳に達していない者については、年金繰上げ増減率が1月当たり0.5%から0.4%に引き下げられます。対象者は以下の通りです。

・令和4年3月31日において60歳に達していない者⇒生年月日が昭和37年4月2日以降の者。

しかし、繰上は生涯にわたって年金額が減額されることになります。また、保険料の追納もその後は出来なくなります。さらに国民年金に任意加入できなくなり国民年金を増やすこともできなくなります。そして持病のある方は障害年金の事後重症の請求が出来なくなります。また、繰上支給の老齢年金をもらうことで収入によっては年金が支給停止になることがあります。繰り上げることで所得税、住民税が増えるなどもあります。もう一つ言えば厚生年金基金減額もあるかもしれません。結論としては多方面から検討してから繰上げ支給をご請求されることが大変重要になることがお分かりになると思います。

繰上げ、繰下げとも結果として思わぬデメリットがあることが考えられますので年金事務所、税務署、市役所など住民税担当部署、健康保険担当でご確認の上、ご請求いた
だくことを強くお勧めいたします。

以上

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