③ 労働問題解決シリーズ 年次有給休暇請求について

所長つれづれ

年次有給休暇取得は労働者の請求行為になります。これは「労働者の請求する時季」に与えなければならないとされています。この請求する時季ですが例えば就業規則などで一定期日前までに時季指定することを定めていた場合にどうなるかですが「原則的な制限を定めたものとして合理性を有した場合には、有効である」とした最高裁判所の判例があります。合理性を有する場合ということからおよそ3日前程度であればその範囲内と考えられますがそれが例えば10日前までといったことであれば合理的範囲からの逸脱とも言えますので正に常識的範囲内での扱いを行うことが要点であると考えられます。

会社にとっては一時季に年次有給休暇の請求が重なった場合、事業の正常な運営に支障が出ることがあります。この場合には他の時季に与えることができると労働基準法で規定されています。他の時季に変更できる(時季変更権)ですので年次有給休暇の拒否をする権利ではないことに留意する必要があります。この正常な運営に支障がある場合に関しては、個別具体的、客観的に判断されるべきものです。過去の裁判判例でもこのことが判決として示されています。ですので「人員が足らないから」や具体的な支障がない場合には違法となると考えられます。法の趣旨に沿った運用が重要であるといえます。時季変更権ひとつをとっても判断が難しいものです。判断が困難な場合には専門家(弁護士、社会保険労務士)や労働基準監督署に相談をされて正しい運用が必要です。

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